2010/03/10

マネートレイ6

最終回は仕上げです。
面取りをし、染料を差せばそれなりには出来上がりますが、もう少し出来栄えを良くするために、グラインダーに付けた特製バフで裁断面を磨きます。革をグラインダーでバフ掛けするのはグラインダーの速度調節とバフの素材が微妙に影響します。速度は変圧器等を使えばいいのですが、バフは試行錯誤が必要です。この特製バフはウレタンを8号帆布で包みました。適度な柔らかさがあるので、磨きをかける面を凸面に仕上げてくれます。フノリを付けて磨けば見違えるほどクオリティーが上がりますが、残念ながら、クローム革ではそれほど磨きが際だちません。まぁこんなもんで完成です。
心残りといえば、やはり革の選択でしょう。まぁコレばっかりはクライアントの要望もありましたので、仕方ありませんでした。

たかが釣り銭トレイ、でも無機質なトレイがあるより、こんなオリジナルのトレイがあれば、お客さんも支払い時に気分が良くなるのでは?












左側が裁断した後に面取りした石。右側は特製バフです。

2010/03/09

マネートレイ5

縫製と裁断
ここまで来れば完成間近。
貼り合わせた革を縫います。手縫いすればそれなりの雰囲気が出ますが、そこまでクオリティを求められていませんので、ミシンでチャチャチャと縫います。トレイの際を包丁の柄などで軽くこすり、アタリを付けると縫い易くなります。
縫製したら、ステッチの際を裁断します。テーブルの縁などを利用し、一気にくり抜きます。
裁断した後は、断面の角が立っていますので、グラインダーで面取りします。クローム革なのでカンナでは上手く削れませんし、グラインダーの方が早いです。面取りした後は、必要に応じてコバに染料を差します。
縫製と裁断、軽く説明しましたが、カンタンな作業を上手くあげるには経験値がモノをいいま
す。



トレイが挟まっているので、工夫しないとなかなか縫えません。



テーブルの縁を利用して、一気にくり抜きます。



裁断した面です。角がたっていますので、グラインダーで面取りします。



必要に応じて染料を差します。

2010/03/08

マネートレイ4

トレイに革を貼りこみます。
まず、素押しを押した革の裏面と、トレイの表面に接着剤を塗ります。素押しがトレイの中央部に来るように、予め型紙を作っておき、位置決めしてから貼りこみます。この、貼りこみがキモなんですが、トレイにはフチがあるので、革がフチに滑らかにフィットして接着するよう、丁寧に貼ります。
同様にトレイの裏側にも革を貼ります。裏側は素押しなどはないので、正確な貼り込み位置など気にせず、目分量で貼っても大丈夫です。トレイに沿わせて歪み無く貼りこみます。
簡単そうですが、素押し等があると位置決めが意外に難しく、経験が必要です。
また、張り込むモノがトレイなど凹凸が浅いと貼り込みも楽ですが、深いモノだと、革を濡らして柔らかくしてから貼り込むなど、ワザが必要となります。また、接着剤の使い分けも必要となります。













素押しをした革の裏面に接着剤を塗り、型紙を置きます。













型紙に沿ってトレイを置く位置を確認します。













トレイを置き、型紙を取りました。













表面同様、裏面もトレイに馴染ませるよう貼り込みます。

2010/03/07

マネートレイ3

革に素押し入れます。
革の厚さを調整する場合は素押しを入れる前に漉きを入れて調整しておきます。
職場の素押し機は、カシメなどに使うハンドプレ機を改造した、超原始的なお手製マシンです。こういう仕事で使う道具なんて、使い人が使い易いように既製品を改造するなんてのは当たり前、自分で作ってしまうなんて事はよくあります。大量に作るメーカーさんではないので、まぁこんな物でも充分です。
素押しの作業で難しいポイントとして、正確な位置に押す事や、素押しの温度、圧力などによる調整がありますが、今回はクローム革なので、温度、圧力はさほど影響しません。位置だけです。思ったところに押すには、、、正確に位置決めをするしかありません。今回も裁断した革の中心に入るように型紙を作りました。
型紙と同じように革を裁断してあるので、素押しを入れたい位置に判が当たるように、素押しの台に型紙をセットし、その上に革を載せればOK。言葉で説明すると判りにくいのですが、やってみると簡単です。
位置さえ決めれば20枚でも、100枚でもハンドルを押すだけです。












2010/03/06

マネートレイ2

まずは革とトレイを用意しましょう。
希望としては大好きな「ミネルバボックス」を使いたいところですが、今回は時間が無いので、色目が近い革の表面に色を吹き付けて色合わせしていただきました。厚さは1,5mmぐらいあります。薄いとコバがヨレヨレになり貧弱なしあがりになってしまうので、ある程度は厚みがあったほうが重厚感が出ます。台は残念ながらクロームです。シブ(タンニン)だと仕上げにコバを磨くととても良い質感を出しますが、クロームだと残念ながらコバがしっかり出ません。まぁ、今回は仕方ありません。

次はトレイです。ピカピカな状態だと、革とトレイの接着が弱いので、傷をつけます。サンドペーパーでやってもいいのですが、今回は予備用に30枚も持って来られたので、一気にやっつけるため、ドリルドライバーにワイヤーブラシを付けて、、、でも、けっこう大変な作業です。

次回は素押しです。

2010/03/05

マネートレイ

来週末に勤め先の関連店舗の2号店がオープンするので、そこで使うマネートレイ(釣り銭皿ね)と、カードの伝票にサインする時の下敷き(クリップボード)の作製依頼が来ちゃいました。1号店の時もボクが作ったので、先方からはフツーに依頼が来ましたが、、、、一応会社が違うし、本業の仕事もけっこう忙しいっちゅうに ( ̄□ ̄;) !! 
でも、系列会社の仕事を横串で受けるって、得る事も沢山あるので、ボクもフツーに受けちゃってます。(つっても、もう来週だぞ!大丈夫かい?)
依頼はトレイ15枚、クリップボード6枚(そんなに必要かいな?)
こりゃ今週末は出勤か?なんてビビリながらも、この緊張感をけっこう楽しんでます。
で、トレイの出来るまでを写真に残しましたので、ちょっとご紹介しましょう。
写真は出来上がりのモノ。ステンレスのトレイを革で包んでいます。トレイの上面中央にはショップの素押しを入れてあります。ちょっとした店舗備品でも、少しこだわりを見せると、店のイメージもとても良くなりますから、気を抜けません。
1号店の時は、在庫している革の中からイメージカラーの紺色に合うものを選んだので、革の厚さは無視され、ちょっと貧弱なあがりになってしまい、自分でもあまり納得出来ませんでした。今回は革屋さんに無理を言って色を合わせを早目にあげていただきました。

つづく、、。

2010/03/04

雛祭り

まだまだ寒い日が続きます。
ブログ更新が鈍っているのも、この寒さのせいです(キッパリ)
このパソコンは我が家の居間の隅に置いてあるのですが、家の中で一番暖かい居間でさえ寒くて寒くて、、、だから、ただでさえ寒がりのボクが、部屋の隅に置いてあるパソコンの前に座るなんて、、、ついつい更新が億劫になってしまうのです。
でも、花粉も飛びはじめ、寒さも徐々に緩くなってきたような、、、ボチボチまたマイペースに戻ります。(マイペースかよ!)
今日は雛祭り。で、今朝、玄関の飾りをパチリ。