2020/01/10

「Madu+PERSIMMON 9号パラフィン帆布のトートバッグ」について 4/5

弊社で参考出品として合同展示会でお見せしたバッグをベースにし、生地の色とサイズ等を変更してMaduさまとのコラボ企画のバッグができあがりました。
そのベースとなったバッグの背景を5回に分けて書いてみます。

以前のブログをはこちらを参考にしてください。
1/5 https://www.persimmonllc.com/blog/madupersimmon-9-15
2/5
https://www.persimmonllc.com/blog/december-20th-2019
3/5
https://www.persimmonllc.com/blog/madupersimmon-9-35

バッグの修理で1番多いのが手紐の修理です。
修理を少なくし、また修理する場合でもバッグ本体へのダメージが少なく簡単に修理出来るように、手紐の素材とその付け方に対しても熟考しました。その結果、伸びの少ない4mm厚のブライドルレザーを使い、本体にはリベットで固定する仕様にしました。
 ブライドルレザーは馬具に使われる革として有名です。騎手が命を預ける馬具として使われる革には「強靭さ」というそれなりの理由があります。使い始めは固くて少々使いづらいかもしれませんが、馴染んでくなると唯一無二の独特な質感になり、4mm厚の1枚革の手紐がとても使い易いものとなります。
 高価な革ですが、一般的なステアの革と比べても歩留まりが良く、丁寧に裁断すれば効率の良い革です。また、革の裏側も吟面(表面)と同じように使えるのも大きな特徴の1つです。
 手紐は人が直接手で持つ部分なのでとても気を遣います。手断ちで裁断し、鉋(カンナ)をかけて面取りし、コバの染色と磨きなど、手間と時間を掛けました。 

 手紐のバッグ本体への取り付けは、縫い付けではなく、リベット留めにしました。
 仕立ての工程上、見付けと本体を一緒に縫う事が難しいということもありますが、修理が簡単にでき、修理をした時にバッグ本体へのダメージが少ないう点で、縫い留めよりリベットで留めの方が良いと判断しました。
 リベットが生地を切ってしまうのではないか?というリスクがありますが、適正に打たれていれば、生地面に下穴を開ける一般的なカシメよりはリベットの方がダメージは少ないと思われます。現にジーンズの補強ではリベット留めが一般的です。

 近年、日本の鞣し屋さんが廃業するというお話をよく聞くようになりました。イギリスでも歴史のあるブライドルレザーの工場が閉鎖されたという話を聞きました。ますます貴重になる革ですが、この革の良さをぜひ体験していただきたいと思います。
 一般的な渋鞣しの革とは別物であるブライドルレザーの手紐は、このバッグのアイコンになるでしょう。







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