2018/04/12

ルーム と 英国王のスピーチ


映画を2本観ました。
2本ともアカデミー賞を受賞した作品です。



「ルーム」
デビッド・フィンチャー×ジョディ・フォスターの「パニックルーム」がトラウマとなり、単なる監禁部屋から脱出できてよかったねモノかと思ったらとんでもない、素晴らしい作品でした。
大きく分けて2部構成となり、前半はママとジャック(息子)の監禁状態、後半は脱出後の物語ですが、「脱出できてよかったね」で終わらず、その後が本編のキモ。

脱出後、7年ぶりに会う両親は既に離婚していたことにママは複雑な心境になる。
ジャックの父親は、監禁の加害者であるということから、監禁中に産まれたジャックを受け入れる事ができずに悩むママの父。
脱出に成功し、無限の世界に飛び出せたジャックだが、5歳にして全てが初めての体験なので、全ての生活に馴染めない。
TVインタビュアーからの心無い質問に心を痛めてしまうママ。
入院したママを思い遣るジャックの優しさ。
などなど、見所はたくさんです。
監禁と脱出を、束縛と自由という視点に置き換えると、自由にはそれなりの厳しさがつきまとうものだと考えさせられた。

ジャック1人で脱出し、警官に保護されてから母親の居場所(監禁場所)を見つけるまでの、警官の機転の利かせるシーンがとてもスリリングでした。

それにしても、新しい世界にすこしづつ順応していくジャックの演技が素晴らしすぎる!(初めて電話で話すシーンは人影で正面から撮れてなかったけれど、それがかえって演技ではない初々しさが感じ取れた)


「英国王のスピーチ」
吃音持ちのジョージ6世がオーストラリア人の言語療法士とぶつかり合いつつ友情を育み、一世一代のスピーチを成功させるという実話の映画化。
だけど、この一世一代のスピーチとは、ドイツへの宣戦布告の宣言。これから戦争だ!というのに、吃音を克服しつつ大仕事をやり遂げ、祝福に包まれたような雰囲気でエンディングに向かうのに、とても違和感を感じてしまうのは、敗戦国民であることからくる心境なのか?

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