2018/10/18

グレゴリー・デイパックに裏地をつけました

加水分解のひどくなったグレゴリーのディパックに裏地を付けました。
(注:私物です。このバッグは以前ウレタンが剥がれた時に自分でウレタン樹脂を塗ったこともあり、内部の背胴側もウレタンが塗られています。)

20年ぐらい前に ソニーの通販(?)で購入しました
旧タグとしての限定商品だったと思います

背胴は本来加水分解しないところですが
自分で塗ってしまったのでこの有様です

ナイロン生地の裏加工によく使われるウレタンが水分を吸収すると、ウレタン樹脂がボロボロと剥離してくる症状を「加水分解」と言います。(ナイロン生地の裏加工で、アクリル加工やビニール加工(PVC)は加水分解はありません。)
最近では症状を遅らせる技術も開発されてきているようですが、基本的には、ウレタン樹脂の製品は製造され、空気に触れた瞬間から加水分解が始まっているのが現実です。愛着のあるバッグを長く使いたいのに内部がボロボロだととても残念なので、今後も使えるように裏地をつけます。

まずは全バラ。
と、その前に再度組み立てる時のために、パーツの向きや位置を写真に撮っておきます。(コレがとても大切)



縫う順番を覚えておくために写真は絶対に必要です

リップナイロンをめくるとこんな状態に、、

底も自分で塗ってしまったのでこの有様

グレゴリーは「バッグのロールスロイス」などと言われていることもあり、ミシンのピッチが細かく、縫い始め、縫い終わりもしっかり返し縫いをしているし、袋縫いのステッチも2重(2本針でなく、地縫いしてバインダー掛けの2度掛け)だったりと、他のアウトドブランドよりしっかりした作りです。その分、糸を解くのがとても大変で、1本をバラすのに3時間以上かかりました。

ショルダーストラップ ファスナー テープ類はそのまま使います
バインダーテープは手持ちのグログランテープを使います

今回、裏地として使う生地はバッグの内装によく使われている#210デニールナイロン。リップナイロンのように薄くて丈夫な生地が理想ですが、手元になかったので、、。

マチ部分の裏側

かなり細かなステッチです

マチの比翼部分にも全て裏地を当てると、生地が暑くなりファスナーの開閉がしづらくなるので、比翼部分は残してファスナーの内側部分だけ裏地を当てます。

前胴ポケット内部にも裏地を付けます

これなら気持ちいいです

前胴ポケットの内側にも裏地を当てます。

まとめる時に生地の厚みを減らすために 余計な生地は切り落とします

ポケットを新設しました が 反省点も、、、

また、今回、全バラしたついでに、背胴iPadを入れられるベタポケット(左右いっぱいまで入り口があるポケット)を追加したいので、背胴に使われているリップナイロンとオックスナイロンの厚みを無くすためにリップナイロンの縫い代部分を切り落とします。
新たに付けたポケットは当然ウレタン部分を内側にした2枚使いの仕様にします。

底にも生地を当てて まとめました

背胴もこんな感じ

ひっくり返して内部を見るとこんな感じ
比翼部分には生地が付いてません

底にも#210を当てます。
あとは縫い代を同じ10mm幅にして組み立てれば出来上がりです。
バインダーに使うグログランテープは手持ちの同じ幅の25mm
のものを使いました。
当然 MADE IN USA のピスネームは忘れずつけます。

これで、比翼の裏以外は全て加水分解が見えなくなりました。何だかんだで半日以上かかってしまいました。

外観は全く変わりませんが 反省点が発覚しました

出来上がってから思いましたが、新たに付け加えた内ポケットのために、まとめの縫いの生地が厚くなってしまいました。(ポケット口周りのバインダーもあるのでなおさらです)
グレゴリーのデイパック特徴でもある、背胴周りのつまみ縫い部分は厚みの影響が直接出るので、厚みを軽減する仕様にすればよかったなと反省しました。

出来上がりの外観の画像は、ビフォアもアフターも変わりませんが、内装は激変です。
まぁ、いい仕事ができました。

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